S.19

10年度最後?のプロップ機は水陸両用! = ICON A5 =



しっかし飛行艇って何なんでしょうね、格好良すぎますよね? 飛行機でありながら水面を滑走路として使用するなどと考えた人は本当にエライ!だから独特のフォルムと雰囲気を持っており、plane と言わずに ship というのも肯けます。ま、万人に有名なところでは ”紅の豚 ”に登場した S-21 なんでしょうが、架空の機体や軍用機でなくても面白いもの(つまりRC化したくなるようなもの)がいくつかあります。

その中でも異質・・・というかユニークな飛行艇(厳密には水陸両用機)が ICON A5 でしょうか。恥ずかしながら実機より先にメンバーの RC のほうを知ってしまって「え?これってスケール機なん??」と驚いた次第です。既に実物がどんな機体かご存知の方も多いと思いますが、ご存じない方は添付の動画をご覧下さい。ちょっとビックリしますよ(笑)

私から言わせれば、これは正に 007 の世界ですね。Q なんかが「新兵器が出来たんで使ってみて」とかボンドに言いそうですな。アメリカ製やけど是非映画のワンシーンで使って欲しいなぁ・・・ ちなみにこの飛行機、米国ではスポーツライセンスでフライトできる「ライトプレーン」扱いだとか?日本ではさすがに自家用を取らないと乗れないと思いますが羨ましい限りっす。ま、何れにしても実機は買えません(米国では一千万円程らしいが)ので RC で我慢しましょう(笑)、飛ばせる飛行艇は持ってなかったし。


I .内容確認と機体製作


1.キット確認


ショップにはサイズ違いで2種類ありますが、スパン 1000mm の小型のほうはクラブメンバーが既に所有していることもあり、私はスパン 1800mm の大きいほうにしました。実はこちらにした理由は他にもあるのですが、それはこれからのお楽しみということで。。。ではまず、キット内容を確認していきましょうか。第一印象は・・・「箱 デカッ!!」でした。小さな子供なら入りますよ、コレ。

機体全体は基本的に EPO です。最近は EDF でなくても発泡の機体が増えました。出始めのころは安っぽく感じて食指が伸びませんでしたが、表面処理も綺麗な機体が出てきてバルサキットを席巻する勢いですね。丁寧に扱えば寿命も思った以上に長い場合もあるようです。特に EPO は材質自体に粘りがあるので、多少曲げてもポキッと折れ難いという特性があります。修理や加工も比較的楽なこともあり、超スケール機で無い限りこれで十分だと思いますね。

@ 胴体:
キットとは言え、ほぼ胴体は出来上がっているので取説通りに組むならほとんど弄るところはなさそうです。内部はともかくとして外部表面には多少ツヤがあり、特に塗装しなくても見栄えはそんなに悪くはないと思います。よ〜く見ると発泡独特のブツブツが分かりますが、3m 離れれば FRP と見分けがつきません(笑)。水面を叩くハル部分は一部プラスチックパーツが貼り付けられています。強度としても十分と見ました。また、ハルは水上機らしくステップが設けられているので離水性も良さそうです。

既にリトラクトも装着済み、リンケージも処理済みなのでサーボを繋げば即動作可能かも。また、このリンケージを伝って水が浸入しないよう配慮されていますので、その点はご安心を。ノーズは一応リトラクト自体にロック機構があり且つステアリング機構もあるようですが、メインはロックフリーなんでサーボの力だけで保持しなければなりません。ただ、機構上サーボにはあまり負荷が掛からない配慮はされています。この部分は説明するとクドくなるのでやめます、画像で判断してください(笑)。

キャノピー部分は別パーツで完成済みで、ココがメカなどのアクセスハッチにもなっています。既にキャノピーも接着されており、更にマグネットで固定するように加工済みなので弄るところはありません。逆にコックピットの作り込みを考えている人は(このままでは)着色もできないのでちょっと残念かも・・・

A 垂直尾翼:
胴体と一体型になっているので組立ての必要性は全くありません。ラダーサーボはコックピット内に固定されてフレキシブルロッドでまず水中舵を可動させ、その水中舵とラダーを別のロッドで繋いで連動させるしくみです。既にロッドは組立済なので難儀なリンケージは無さそうですが、水中舵とラダーの連動ロッドがむき出しなのでスケール感としてココはイマイチかなぁ。

B 水平尾翼:
既に完成されているので、弄るところはほとんどありません。ボルトで胴体に取り付ける仕様になっているので、保管や運搬も邪魔にならずに済みそうです。エレベーター用サーボは水平尾翼中央下側に固定し、エレベーターとダイレクトリンケージになります。その垂直尾翼上端からコックピット後部まで延長コードも処理済みです。なかなか考えられていますね。

胴体の説明のところで書き忘れましたが、この延長コードを通すパイプが金属製で、胴体の強度アップも担っているようです。この機体は胴体後ろ半分が極端に細いため、非常に有難い配慮ですね。

C 主翼:
当然(残念?)ですが実機のような折畳みのメカはありません(笑)。片翼を持った第一印象は「発泡にしてはやけに重いな・・・」でしたが、それもそのはず、どうやらスパー方向に補強用として金属パイプが埋められているようですね。主翼は完成後も左右2分割で、胴体を貫通させた 10mmφ の金属パイプで繋ぐことになります。各翼にはエルロン用とフラップ用のサーボを埋め込む溝がありますので、実機同様の動きを堪能することが出来そうです。

翼型は準対称ですが少しSキャンバーが施されています。実機がどうなのかそこまで分からないものの、推測としては実機からのパクリではと思います(笑)。まぁしかし、かなり厚い翼ですね。確かに実機も厚いので、そこまで忠実にスケール化したのかも・・・

D パーツ:
サイズ 1000mm のほうは文字通り ARF で モーター・ESC・サーボも組込み済とか。こちらは逆に必要最小限のパーツしか入っておらず、「え? こんだけ??」 というぐらい少ないですよね(笑)。言い換えればそれだけ機体自体の完成度は高いということです。まぁリンケージパーツは全て同梱されているので、パワーユニットや操縦メカ以外のパーツを揃える必要はなさそうです。

デカールはステッカー式のもので、内容としては100点でしょう。ICON 社のロゴもきっちりデザインされているので、A5 の雰囲気を十分際立たせられると思います。

パッと見、組立説明書(取説)は圧巻でした。カタログに使うような紙質で、しかも75工程にも及ぶ組立手順が全てカラーで紹介されています。日本製でもここまで拘った取説は見たことがありませんね。尚、取説の文面は英語と中国語のみで日本語はありませんが、(中・上級者なら)無くても大丈夫でしょう。尚、75工程などとかなり製作過程があるように思いましたが、既に工場組立済みのところも多く、実際の工程はもっと少なくて済みそうです。しかし不要な工程の記述であっても修理などでは重宝しますので、完成後も手元に残しておいた方が良いと感じました。

しかしこの取説・・・致命的な欠陥があります。重心位置はかろうじて文面に書いてあるのですが、舵角などの記載がありません。ARF の取説としてそこを端折ったらアカンがな。


一般の EPO 機を★3として、、、
材 質:★★★  :EPO としては同じだと思う。
強 度:★★★★★:かなり頑丈・・・というか頑強。金属パイプのお蔭でその点は安心!
表 面:★★★★ :よーく見るとやっぱり発泡。しかしツヤがあるので良い感じ。
スケール度:★★★★ :非常に良く特徴を捉えているが試作機がモデル?ラダーリンケージが残念・・・
完成度:★★★★ :けっこう細かいところまで拘っているぞ!
パーツ:★★★★  :(製作前なので見た目)スケール機だけあって多少の拘りはあるのか?
取  説:★★    :色彩豊かなのは結構、但し肝心なことが書かれていない。ちょっと辛口。
改造可:★★★★ :やる気になれば大きい分楽かも。しかし何処を改造する?
値 段:★★★☆ :これ難しいですね(笑)、大きさからして割安感はあり。

仮組みした機体とメンバーのスパン 1000mm ものとで2ショット、まるで親子やね(爆)何れにしても、ここまで仮組みできるということは完成度も相当高いとは言えます。





2.キット製作


普通に組むなら、防水に注意してサーボ・モーター・ESC・受信機・バッテリーを積んだら終わりそうですが・・・ とりあえず早く作って飛ばしたいので、まずは出来るだけ手を加えずにさっさとやってしまいましょうか。また、しばらく水上で飛ばす予定が無いので、防水処理は後回しです。

@ 水平尾翼:
前述した通り、機体自体はほとんど完成されているのでどこから着手しても大丈夫なようです。取説の順番通りではありませんが、まずは水平尾翼から始めました。水平尾翼製作では、一点注意が必要です。 エレベーターはヒンジ不要になっています。つまり、水平尾翼とエレベーターのヒンジラインは切り離しません。初め「ホンマかいな?」と両端だけカットして動かしてみましたが大丈夫なようですね、粘りのある EPO なのでこのようなことも可能なのかもしれません。

動翼側のホーンはスナップイン方式になっており、ネジ留めの必要はありません。上下から2つのパーツでエレベーターを挟んでグイッと押し込み、出っ張ったピンをニッパで切れば装着完了です。サーボを所定の位置に両面テープで貼り付けようとしましたが、超強力両面テープでもこの発泡材にはくっ付かないようです。で、まず発泡材側にエポキシでプラ板を貼り付け、そのプラ板にサーボを両面テープで固定しました。後は同梱のプッシュプルロッドを寸法に合わせてくの字曲げて切断して終わり。ちなみにサーボは TowerPro MG90S です。

A 主翼:
せっかくですから今回はエルロンとフラップを装備したいと思います。エルロンもフラップも主翼と一体成型になっています。エレベーターと同様ヒンジラインはカットせず、そのままヒンジの役割をさせます。サーボは、エルロンもフラップも TowerPro MG90S を使いました。

サーボリード線の溝も既に主翼下面に加工済みですので、その中に配線を這わせて胴体側へ導いておきます。一つ疑問に思ったのが、その溝が翼端まで続いているところ。これは翼端灯装着時の配線のためにあえてこうしてるんでしょうかね? 不明です。

なかなか配慮されているなと感じたのがフラップサーボの向きでした。通常、フラップサーボを2個使う場合は両方とも正回転サーボですと2又コードが使えません。方法としては送信機側で2チャンネル使ってミキシングが必要になるのですが、この機体は左右対称にサーボを配置するのではなく、同じ方向にサーボを置くように配慮されていますので、送信機側のミキシング無しで且つ同じ動作方向のサーボを2又コードで繋ぐことが出来ます。

B 胴体(動力部):
取説にはモーター装着用のフレームを胴体に固定してからモーターを取付けるような記述がありますが、私が用意したモーターのスパイダーマウントはそのフレームには大きすぎて装着できませんでした。そこで、モーターをフレームに直付けしてから胴体にフレーム毎固定することにします。

ちなみに今回チョイスしたのは KK HOBBY さん販売の GT3520-05です。クラブメンバーが同タイプのサイズ違いを使っており、とにかくパワフルで静かであることに驚きました。また、回転部そのものにプロペラシャフトを固定するタイプなので芯ブレも少ないと思われます。更にクーリングファンのようなものまで付いているので、今回のようなプッシャーには好都合ですね。プロペラは実機が3枚なので、拘って3枚ペラを用意しました。サイズは 11 X 8 です。しかし3枚ペラはスピンナー調達が難儀ですねぇ・・・無いとやっぱり格好悪いし。。。

組みあがった動力部分を胴体に固定します。と言っても胴体に差し込むだけみたいなんですが(笑)。取説を読んでも接着固定する記述はありません。このモーターマウントが主翼の抜け留めを兼ねており、主翼自体は胴体にパイプを貫通させて固定されるので、このマウント自体は単なる差込みでOKになっているんですね。まるでパズルみたいですが良く考えら得ていますなぁ〜

C ラダー リンケージ:
胴体に積むサーボは2つだけになります。一つはラダー/水中舵/ステアリング用サーボで、もう一つはリトラクト用です。取説では両方共 Hi-Tech HS-81MG を推奨していますが、手持ちの HS-81MG ではサイズが合わずマウントを削らなければなりません。で、手元にあった WayPoint 150MG が無加工でつきそうだったのでラダー用にはそれを使いました。

D リトラクト リンケージ:
リトラクトサーボはラダーサーボと同サイズの WayPoint 150RG を用意しました。リトラクト専用サーボとしては世界最小かな? ちなみに私はリトラクトに通常サーボを使ったことは殆どありません。通常サーボはロック機能がありませんので、少しでもテンションが掛かると電流を流して頑張ってしまうからです。まあ万一のことを考えてリトラクトには通常サーボは可能な限り使わないほうが良いと思っています。

実はリトラクトサーボ装着で難儀しました。サイズは良かったのですが、サーボ同梱のホーンではストロークが合いません。と言うか、メインギアのストロークが大きすぎてよほど大きなホーンでも使わない限りコリャ合わないなぁ。。。サーボを載せ替えるのも面倒くさいのでホーンを多少加工することを考えていますが、明日の初フライトはとりあえず固定で飛ばすことにしました。ノーズとメインのロッドをタイヤストッパーを使ってリトラクトを出した状態で固定しています。

E その他 メカ積み:
まずは ESC ですね。今回は水辺でも使うので、あまり高価なものは避けました。で、用意したのは MYSTERY 60A です。しかしこの ESC、廉価なわりにはそこそこの性能を発揮してくれます。と言うか、高価なものとあまり違いが分かりません(笑)。何れにしても、今回はシビアなセッティングは必要ないのでこれで十分と判断しています。

モーターのワイヤーだけでは長さが足りませんでしたので、まずは3本の延長ワイヤーを作り、それを胴体内まで導きます。既にそれ用の穴も開いているのでそこは心配する必要はありません。下ろしたワイヤーはコックピット後ろに出てきますので、そこへ ESC を繋ぎました。ESC をカチっと固定する場所がありませんので、そのまま宙ぶらりんです(笑)。

受信機は、座席下にスペースがありますので、そこにタイラップで固定しました。今回は(今のところ?)7チャンネル必要なので R-770S を使っています。アンテナは、既に胴体内にノイズレスチューブが通っているのでそこに押し込みました。

Li-Poly は HYPERION G335 3300mA 3S と 2S を用意し、これを直列にして 5S にします(つまり前作 APOLLO 50 と併用)。場所は、重心の関係でコックピット最前に持ってきました。しかし、これでも取説指定の位置よりちょっと後重かなぁ・・・

F ちょっと困った・・・:
出来上がった水平尾翼を胴体に固定しようとしたところ思わぬトラブルが! 水平尾翼は、3mmφ のボルト2本で固定することになるのですが、内1本の頭のプラス溝が何故か無く(つまり丸坊主状態)、これではボルトの役目を全く果たしません。長さが 60mm ほどあるものなので手元に使えるボルトも無く、結局初飛行はエンジンのマフラーを固定するキャップボルトを代用品として使うことにしました。また、垂直尾翼に埋め込まれているボルトを受ける側のナットも内部で空回りしているようで、現状ではボルト1本で水平尾翼が固定されていることになります。

今回の機体はファーストロットになるので、まだまだ細かいところの対応までは出来ていないようですね。まぁ致命的な欠陥は無かったので、それらは自前で直すことにします。で、いよいよ完成!!


製作後の超個人的な印象、、、
部品精度:★★★★☆:パーツの合いもよく修正したところはほとんど無し。
組立容易:★★★  :メインリトラクトのストロークが難点。未解決。
加工容易:★★★★★:発泡なので簡単に加工可。サーボの穴を修正した程度。
使用工具:★★★★ :普通の工具で十分。
別途部品:★★★★ :水平尾翼を留めるボルトだけ別途調達、満点にならず残念。。。
製作時間:★★★★★:1日あれば十分。ちなみに私は延べ5時間デシタ。



U.フライト


1.初フライト( 2010.11.21 )


残念ながらリトラクトは動作しませんが、現状で1回飛ばしてみましょう。現場で細かい調整をして、まずはモーターを回してみます。おおお、もの凄い押しですなコリャ。。。ではさっそく上げてみましょうか。

ウヒーッ!!


機速が付いたところでジワっとエレベーターを引いてもなかなか離陸しないので、グイッと強めに引くと突然機首を上に向けそのままロケット発進してしまいました。やはり思っていた通り、メインギアが重心よりかなり後ろにあるので離陸はちょっと厄介なのかもしれません。

多少高度を取ったところで水平飛行にしようとしたところピッチ軸の安定が非常に悪い! 慌ててトリムをアップに調整して再び様子を見ます・・・ う〜ん、トリムは合ったようなのですが、それでもピッチ軸方向のスワリがイマイチ、機首がアップになったらアップになったまま、ダウンにすると更に突っ込むようで、印象としてはかなり後重です・・・

ロール軸はどうでしょうか? ちょっと舵角が少なかったかな・・・翼端エルロンなのでもう少し舵角を大きくしても良かったようです。もう一つ気になったのが旋回です。重心位置が悪いからなのか、はたまたプッシャーのせいなのか分かりませんが、旋回がけっこう難しいですね(笑)。かなりラダーを積極的に使わないと綺麗な旋回はできないようです。ロール軸もピッチ軸も不安定なので演技は何もせず、(良く言えば)スケールライクに遊覧飛行を続けました。

フラップ下げの場合の印象はどうでしょう・・・フラップを一杯( 45°)下げてみます。ピッチ軸 アップ/ダウンのクセもなく、そのままフワっと浮こうとするので、こちらはなかなか良い塩梅です。スロットルを絞って、そのまま超スローで周回させてみました、おおぉ こりゃエエわ まるで本物!! で、いよいよ着陸体勢に入れます。エルロンが思ったように効かないので少々不安はあるものの、多少追い風の中フワ〜っと接地・・・そのまま滑走路の半分ぐらいで停止しました。


パワー的には全く問題ありません。また失速にも入りにくいことは分かりましたが、現状ではとても他人に送信機を預けられるほど安定した飛びとは言えませんでしたね。機体自体の飛行特性なのか、重心の問題なのかは現状では不明ですので、次回に向けてもう少し煮詰められるところは調整してみたいと思います。




2.フライト2日目( 2010.11.23 )


まずはエルロンの舵角と重心を調整します。エルロン舵角は翼端で上下共 30°にしました。尚、エキスポは入っていません。重心は、画像のようにクギをビニテでグルグル巻きにしたものを暫定オモリ(150g)にしてコックピット最前にタイラップで留めました。これでだいたい取説通りの位置になります。

ではさっそく離陸させてみましょうか。前回 急激に離陸直後アップになったのは、急に主翼に迎角が付いたのが原因と推測しています。しかし、メインギアが重心よりかなり後ろにあるので、これは何回離陸させても同じ結果になると思いますね。そこで、離陸からフラップを使って主翼の揚力増加で機体を浮かすことを考えました。これなら主翼に急激な迎角は付かずに機体が水平に浮くので綺麗な離陸が出来るかもしれません。ジワジワとスロットルを上げていき、軸線が乗ったところでググっとパワーを上げたところ。。。

おおおお!


今回は綺麗に離陸しました。思った通りの離陸に本人もビックリ(笑) 実機のような低い上昇角で上がっていきます。適当な高度で反転させると極端なダウン癖に気づきました。慌ててアップトリム一杯にしましたが、それでも修正しきれません。こりゃヤバイなと思ってさっそく着陸させることに。。。

着陸自体は難なくフワッと接地・・・と思いきやノーズギアが着陸のショックで引き込んでしまったようです。そのままハルが地面に当たって機体は止まりました。ナンデ??

回収した機体のノーズギアを確認したところ、パーツの一部が折れたようでギアを出したときのロックが掛からなくなってしまったようです。しかし、あれだけソフトに着陸させたにも関わらずイカレてしまうようでは困りますねぇ。やっぱりメインギアが重心位置より相当後ろにあるのでノーズギアへの負担もかなりあるようです。これは要改善箇所ですぞ!

−・−・−・−・−

重心位置はまあ良さそうなので、エレベーターの位置だけ再調整して当日2回目のフライトに挑みました。今度は普通の機体とほとんど変わらないフライトが堪能出来ましたね。

気を良くしてロールもやってみましたがさすがスケール機、なんとも実機のような ”危なげな ”バレルロールです(笑) まあこれで一応調整は取れて一段落・・・と気を良くしていたのも束の間、今度はエンジンカバーが飛行中に外れて無くなってしまいました(泣)取説にはスコッチテープ(つまりセロテープ)で留めよと書いてあったのでその通りにしましたが、どうもこの機体の表面はスベスベでテープがあまり効かないようですねぇ・・・トホホ


3.念願の水上飛行!( 2011.07.31 )


初飛行から随分と経ちましたが、やっとこの機体を水上で飛ばす機会に恵まれました。場所は舞鶴の某所。メンバーの一人が舞鶴出身で、そちらのクラブの方々とも懇意にしていることから、私もしばしば同行させて頂いています。今回で3回目かな?

この機体のことではないのですが(且つ余談ですが)、何故か舞鶴にお邪魔する度に派手な破壊を披露しちゃってます。1回目はスーパーシクロリーU大破=>お釈迦、2回目は Yak54 中破=>意地で修理、3回目はなんと虎の子のキュラーレを大破=> たぶん主翼は廃棄・・・あぁゲタなど履かさなければよかった。。。

さて、機体の準備に(色々あって)手間取りましたが、なんとかその場で改善し飛行に至りました。まず離水ですが、多少大型なのもあり(というか実機が小さいこともあり)ホンモノみたいです。引き波の立ち方といい、プレーニングの状態といい、水面に波が無ければ本物と見紛うほど・・・かな? とにかく非常にスムーズです。これが飛行艇か!と思わす唸ってしまいました。

上空では相変わらず安定した飛びをしてくれますが、当日は風が強かったせいか風下から風上に向かう旋回では、積極的にラダーを使わないと上手く回れませんでしたね。さて着水はどうかというと、元々着陸が本当にし易い機体ですので、難なく着水。フラップを下ろすことなく(忘れてたという噂も)綺麗な着水が出来ました。上手く文章で表現できませんが、船底がシュシュシュシュと波頭を蹴ってドワァーと停まる、そんなイメージです。

離水・飛行・着水までは非常に満足するものでしたが、多少難しいと感じたのがタキシング。着水した地点から手元に戻そうと水中舵を切っても思うように操舵出来ません。これは主に風が強かったせいなのですが、機体に風を受けるとどうしてもノーズが風上を向こうとします。水中舵も重心近くにあるので効きも良くないのでしょう。これを打開するためには、モーターの回転を上げて垂直尾翼のラダーに風を当てて無理矢理方向を変えてやるしかありません。まぁ静穏な日であればこんな苦労もないとは思いますが。。。

水上飛行も終えた超個人的な印象、、、
離  陸:★★   :前述した通りメインギアの位置が悪し。フラップ要併用。
着  陸:★★★★★:こんなに着陸のやり易いスケール機も珍しい。
離  水:★★★★★:バンプするでもなく非常に安定した離水。ホンモノや!
着  水:★★★★★:ええがな、ええがな、エエガナ!
走航性:★★☆    :水上ので操舵は風を考慮すべし。
安定性:★★★★☆:重心が合ってしまえばかなり高い。
運動性:★★★  :スケールライクに飛ばすなら十分・・・好みの問題。
失速性:★★   :かなり失速せずに粘る。言い換えれば安心。
速  度:★☆      :前面の投影面積が大きく速度は出ない、と言うか必要ないでしょ。
強  度:★★   :ノーズギアが・・・こりゃアカン。あ、機体自体の強度は高いデス。
満足度:★★★★ :上空でも存在感は抜群。たまに飛ばす機体としては最高!

クセのあるところも間々ありますが、そこがまたスケール機として面白いところ でもあります。私は大好きになりました。

たぶん終りかな?


もくじに戻る

inserted by FC2 system